II.考察 – 2.補装具関連事項 / 3.インターネットの活用

2.補装具関連事項

使用している補装具は二品型が56.5%で前回までの調査と大差なく、ストーマ別では、コロストミーの割合が52.1%と他のストーマの種類に比べてやや低くなっている。

これらの補装具の選択理由では、経済的理由とするものは1割にも満たない。入院中の使用経験や扱いやすい、皮膚に安心、もれが少ないなど品質面からの理由によるものが多い。

補装具の品質面での満足度では、手術後経過年数の3年未満の層と20年以上の層で不満度の割合がやや高く、性別では女性の方が不満度の割合が高い。

具体的な満足点としては、「かぶれが少ない」、「装着しやすい」、「剥がす時に剥がし易い」 の割合が高く、不満点としては、「臭い漏れがある」、「溶け易く漏れ易い」といったものが高くなっており、補装具の漏れに対しての不満が多い。

排泄物の漏れの経験について、約7割の人が「ある」と回答し、その内、「外出中」が約4割であることがわかった。中でも50歳以上70歳未満の層は約5割となっている。補装具をつけている以上、このような状況は日頃充分気をつけていても起こりうることであり、安心して外出するためにも、オストメイト用トイレの設置を今後も促進する必要がある。

補装具の漏れの経験(複数回答)

(回答数) 就寝中 入浴中 在宅中 外出中 その他 無回答
全体 (650.0) 60.0 11.6 37.2 40.6 11.4 3.0
コロストミー (406.0) 53.6 12.4 38.3 39.8 10.6 2.9
イレオストミー (27.0) 79.2 20.8 33.3 45.8 12.5 4.2
ウロストミー (93.0) 67.7 6.2 38.5 43.1 15.4 3.1
人肛・人膀 (32.0) 85.7 14.3 38.1 19.0 9.5

ストーマ袋の交換日数では、ほとんどの人が3日に1回以上の頻度で交換し、フランジの交換頻度も3日~5日に1回の人が約7割いることから、それだけのコストと、手間がストーマ装具にかかっていることがわかる。

補装具を退院後替えた人は、種類を替えた人、メーカーを替えた人を合わせて53.1%となっている。また、問8-4で不満点があると回答した人は全体の約半数おり、このことから約3割の人は、不満を抱えながらも現在の製品を使用している可能性があることがわかる。

この結果を基に、メーカーに品質の改善を要望していく必要がある。

3.インターネットの活用

オストメイトは平均年齢が高くITの活用率は低いものと予想されていたが、今回はじめてIT活用について調査を行った。活用している人は65人で全体の10%にあたり、決して高い利用率ではないが、今後、IT利用者は急激に増加することが予想されるため、高年齢層へのITの啓蒙・普及について協会の継続的活動が望まれる。

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